【社会3】 スイート・ノーベンバー ~ひどいショック!~ 涙が止まらない1

もう何年も前の話になるが、ある年の11月3日文化の日に、巣鴨のとげぬき地蔵尊がある通り(東京都豊島区)へ家族と一緒に遊びに行った。巣鴨地蔵通り商店街のことである。通常、毎月4がつく日にちは縁日で、その通りは人でごったがえするが、11月3日も、なぜか縁日だった。焼きそばやたこ焼き、チョコバナナなどの黄色い屋台も道なりに沿って、群をなしていた。見慣れた光景である。この日、私はそこで、思わぬ1人の人物と出くわし、彼の、ただただ切なる一途な思いに、私は込み上げてくる感情を全くコントロールできなくなってしまった。「なぜあなただけがそうなのか・・・」という気持ちで一杯になってしまった。

その日、まずはその通りにある地蔵尊でお参りをした。正式名は、曹洞宗萬頂山高岩寺(そうとうしゅうまんちょうざんこうがんじ)という。その後、その直ぐ近くに位置する「元祖塩大福みずの」という和菓子屋さんで、塩大福と豆大福を買った。飛ぶように売れているのを最初に見かけた時、私は不思議に思い、そのお店に近づき、お客さんが注文する声に耳を傾けたことがあった。そしたら、なんと、殆どの人が「塩大福5個下さい!」「塩大福!」「塩大福・・・」と次々に注文していたのだ。「大福に塩? しょっぱいあんこ? そんなの、美味しいの?」と思った。店員のお姉さんの手が空いたタイミングを見計らって、私はある時、そこのお姉さんにこう聞いてみた、「塩大福って、しょっぱいんですか?」と。「随分と飛ぶように売れてるから、どうなのかなぁ~・・・と思って・・・」と聞いてみた。すると、そのお姉さんが言うには、砂糖を使っているので甘味は勿論あるが、塩が入ってるから味が引きしまってて、どうも美味しいらしい・・・ということが分かった。試しに買って食べてみたところ、「これは美味しいよー! これじゃ、売れるわけだー!」と思った。私は洋菓子で育っているので、和菓子は成人を過ぎても、好んで食べることは殆どない。それでも、ここのお店の和菓子は本当に美味しいと思った。

そして、その後、反対側の通りにあったレンタルDVD屋さんで、「スイート・ノーベンバー」というハリウッド映画を借りた。ずっと楽しみにしていたDVDだった。お参りができて、塩・豆大福も買えて、そして「スイート・ノーベンバー」も借りられた。気持ちはもうホクホクだった。後はもう、このまま家に帰るだけだった。ここまではよかったのだが・・・。

(続く)

 カテゴリー : 社会 | 投稿日 : 2015年11月5日

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