そして、今回、私はこんなこともS先生(日蓮宗・ご住職)にお聞きしてみた、「私は亡くなったその男性とは一度もお会いしたことはないのですが、その男性が私の睡眠時の夢を通じて、私にあのような形でメッセージを送ってくることもあるのでしょうか?」と。すると、S先生は「ないとは、言えません。但し、夢の場合、当人ではなく、それらしいイメージの別人ということもあるようです。」と、そうおっしゃていた。つまり、「なりすまし」ではなく、「別の人物」・・・という意味のようだ。エドガー・ケイシーさんはご自分が亡くなる直前に、ご自分のご家族との間で、秘密の暗号を取り決めておいたのだ。私も事前にその男性とそういった暗号なり、シンボルでも交わしておけば、また話は違っていたのだろうが・・・。どちらにせよ、こういったことを更に明確にしていくのはかなり難しいが、ただ、双方に面識がなくても、そのようにメッセージを送ることは可能なようだ。
亡くなって直ぐに成仏できる人はどんな人なんだろう・・・という疑問も私の中で残った。その辺りのことをS先生にお聞きしてみたところ、お釈迦さまや日蓮上人(にちれんしょうにん、日蓮宗の開祖)は、死後ではなく、生前に成仏されたそうだ。ただ、その成仏にもランクがあって、天台大師(中国天台宗の開祖)によると、それは6段階あり、究極の成仏は、歴史上、お釈迦さまのみだと言ってもいいでしょうと、S先生がそうも教えてくださった。
成仏に関してだが、世界三大霊訓の1つであるシルバー・バーチは、かつてこんなことを言っていた、供養して成仏できるなら、そういう霊は放っておいても、はじめから成仏できる霊だと。・・・ということは、どんなに供養しても、成仏できない霊もいる・・・と解釈してしまいがちだ。このことに対して、S先生は、成仏とは生きている間に、自らが魂を成長させて成仏するべきものであって、死後、人に供養してもらってはじめて成仏するというのは、これは仏教の本道ではない・・・と、シルバー・バーチはそう言いたかったのでしょう、と教えてくださった。私はとても納得した。そして、S先生はこんな事もおっしゃっていた、本当に大事なのは、死後の供養よりも、生きている時に、自分自身の魂の向上を目指すことなのです、と。しかし、死後に成仏できずにいる者を供養することによって、今生きている人が仏道を学ぶ機会が与えられるので、この事も併せて大切なことなのです、とS先生はそうもおっしゃっていた。
(続く)