数年ぐらい前の話なのですが、私が見知らぬ人に「靴の紐がとれてますよ」と声をかけたのですが、その時のその女性の反応がなんか変だったのです。最近になって、ようやくその時の謎が解けたのです。やっと理由がわかりました。長い道のりでした。
ある日の午後、私は自転車に乗って近所のスーパーに買い物に行きましてね。丁度そのお店の前にさしかかった時に、歩行中のひとりの女性とすれ違ったのです。見た目、25歳前後ぐらいの女性でした。彼女は携帯かスマホ(以下「携帯」と表示)で、ずっとおしゃべりをしながら歩いていたのです。
ところがその女性はスニーカーを履いていたのですが、なんとその靴ひもがほどけていたのです。しかも両足です。爪先を前に突き出す度に靴ひもがなびいていました。「こりゃ、危ない!」と、私はすぐにそう思いました。歩いている時に、自分で自分の靴ひもを踏みつけて転ぶか、あるいは他の通行者にそのひもを踏まれたりなんかしたら、大変なことになる。
彼女とすれ違った後、私は自転車を止めて振り返り、彼女に視線を飛ばしました。気がかりに思うのは私ばかりで、ご本人はご自分の靴のひもがほどけていることに、全く気づいていない様子だったのです。
段々と遠くなっていく彼女の後ろ姿を、私はひとりでしばらく見守っていました。その女性とすれ違う人たちは、誰も何も彼女に言わない。「こりゃ、多分もうダメだわ!」と思いました。その携帯での会話すら、なかなか終わりそうになかったからです。
私は自転車をユータンさせて、そしてその女性の後を追いました。いいタイミングで、彼女は交差点の赤信号で止まりましてね。「あ、(声をかけるなら)今がチャンスだ!」と私はそう思いました。私はさり気なく、優しく、彼女にこう言ったんです、「靴のひもがとれてますよ。大丈夫ですか?」と。
そしたら、その女性は私の問いかけにすぐに反応し、携帯でしゃべるのを止めて、そしてとてもさわやかに明るく、そして力のある声で、私に「あ、ありがとうございます!」って、そう返事をしたのです。「体育界系の人かな?」という感じもしました。
ともあれ、その女性に声をかけ終えた私は、「あ、よかった! もうこれで大丈夫だ!」と思い、安心しました。「もうこれで、私の役目は終わった!」と、私はその時そうも思ったのです。
ところが・・・ですよ。ところが、その女性は再び携帯でしゃべりはじめ、ご自身の靴ひもを結び直すことはなく、そのまま青信号に変わった交差点を渡りはじめたのです。
「一体、どうなっているのか・・・」と、私はその時そう思いましたよ、本当に。不思議に思いながら、私はしばらくその女性が歩いて行く姿を見守りました。相変わらず携帯でしゃべっていて、靴ひもはそっちのけ。最後の最後まで、その女性がご自身の靴のひもを結び直すことはなかったのです。少なくとも私が見守っていた間に、その女性がつまずいたり、転んだりすることは一度もなかったので、その点はよかったと思いました。
それはそうと、私はその時に「靴ひもをわざと外して歩くことが、今の流行りなのかなぁ~・・・」と思ったり、あるいは「そういう形で街中を歩くことが、なんらかの訓練なのかなぁ~・・・」と思ったり、それとも「もしかして、足を怪我しているのかなぁ~・・・」って思ったりもしたのですが、「仮にそうだったとしても、なんかやっぱり危ないよねぇ~・・・」と、私はそれこそあれこれと思いを巡らせたのです。
その女性を見届け、気がかりが残ったまま、その後、私は買い物を済ませて帰宅しました。家に戻ってから、ふとその女性のことを思い出し、私は家族に話しました。でも、その時はそれなりの納得のいく答えを得られないまま、数年の時が流れたのです。
最近になってからなのですが、何か調べものがあって、それでインターネット検索を繰り返していく中で、突然、その時の答えが見つかったのです。
発達性協調運動障害(DCD)と言って、靴ひもが結べないなどの、そういった発達障害があるそうです。それを知った時に「(あの時の女性は)これだったのかぁー!」って思いました。
その女性が携帯でずっとしゃべりながら歩いていたのは、恐らく電源は入っていない状態だったのかもしれないなぁ~・・・と、私は今頃そうも気づいたのです。行き交う人たちに、いちいち「靴ひもがほどけていますよ」などと指摘されたらイヤだからです。
そもそもそういった障害の原因は明確には解明されていないそうです。
アメリカの透視能力者で、心霊治療家のエドガー・ケイシーさんが言っていたのですが、原因不明の病気になるような人の場合、過去に接種したワクチンが原因とするそういったリーディングがいくつかあるそうです。解毒はしておいた方がよさそうです。
私たちは今、当たり前のように日々小麦を食べていますが、現在の小麦は、かつてエドガー・ケイシーさんが生きていた時代(1877年3月18日ー1945年1月3日)の小麦とは違うそうです。
小麦に含まれるグルテンという粘りの成分は腸壁を傷つけるそうです。「腸は第2の脳」と言われているので、腸が弱ると、いいことないですよ。
オートミールはグルテンを含まないとわかり、それで我が家では、通常の小麦粉からクイックオートミール(オーガニック)に、完全に切り替えたのです。このオートミールは調理しやすいように、少し粉砕してあるものです。これを使って、美味しいパンを作れることがわかったのです。オートミール粥しか知らなかったので、意外でした。
パンのない生活は、やはりなんかつまらないですよね。なんとかならないものかと思い、それで繰り返し、何度も何度もオートミールのパンを作り続けました。オートミール100%のパン、なかなか美味しいです。カンパーニュみたいなパンです。単価が格安になるので、今ではいつもまとめ買いをしています。
原因不明の病気、あるいは長年患っている持病があるのなら、まずは食生活を替えてみるのもいいかもしれません。病気が長引けば長引くほど、ただ待っていても、治らないことが多いからです。小麦は本当に美味しいですが、ありとあらゆる食べ物に使われており、姿形を変えるので、意識してよく見ないと、なかなかわかりづらいですよね。
(完)