【社会53】 ニューヨークの街中で、全ての夢が消える! ~海外旅行~ 気を付ける

私の旧友(日本人男性Aさん)が、ある時アメリカのニューヨークへ遊びに行った。その時に、とても不思議なことが起こったという(不思議というより、大惨事だ!)。Aさんはアメリカの硬貨をジャラジャラと出して、私に見せてくれた。25セント、10セント、それに1セントのコインもあった。Aさんは旅行が好きで、事はニューヨークの本場ブロードウェイ・ミュージカルを見に行った時に起こった。

Aさんがニューヨークの街中を1人で歩いていたら、突然「ドン!」と、軽く何かが自分の背中にぶつかるのを感じたそうだ。「あれ、なんだろう・・・」と思った瞬間、通りすがりの人が英語で、「あなたの背中に、なんかついてるよ!」と、教えてくれたそうだ。その人はその一言を発すると、Aさんをそそくさと通り越して行ったという。その場に立ち止まったAさんは「え? そうなの? やっぱりか・・・」と思って、自分の背中を見ようとした次の瞬間、今度は別の通りすがりの人が「これ、使いな・・・」と、英語でそう言って、ティッシュを差し出してくれたんだそうだ。タイミングよかったこともあり、Aさんは「助かったぁー・・・」と思ったそうだ。それでAさんは「ありがとー!」と、英語でお礼を言い、そのティッシュを受け取った。ティッシュを手渡したその人も、直ぐにその場からいなくなったそうだ。

Aさんは、その時に、手に持っていた小さなバックを地面に置いて、それで背中についた汚れを、1人で拭き取ったんだそうだ。その汚れをよ~く見たら、アイスクリームか、シャーベットか、あるいはフローズンヨーグルトかよくわからないが、とにかくそっち系の普通の食べ物だったという。

Aさんは、汚れを適度に落とし終えてやれやれと思い、気を取り直して「さぁー、行くぞぉー! ブロードウェイ・ミュージカルだぁー!」と思った次の瞬間、自分の足元に置いたはずの、その小さなバックが、忽然と消えていたことに気づいたんだそうだ。時間にしたら、わずか数分の出来事だったという。

あれだけ親切な人が次々に自分の目の前に現れては消え、消えてはまた現れて・・・で、事が済んだ時には、自分の近くにはもう誰もいなかったという。パスポートやトラベラーズチェック(海外用の小切手のこと)、そして現金や鍵などの貴重品が入った小さなバックと共に、全ての夢が一瞬で消えてしまったのだ。私は、「えーーー!」と思い、驚いてしまった。そして私はAさんに「もしかして、それって、集団による犯行じゃない?」と、聞いてみた。すると、「うん、今思うと、確かに全てのタイミングがよかったからねぇ~・・・」と、Aさんはそう言っていた。

その後、Aさんは地元の警察に行って、被害届を出したようだ。でも、結局何1つ戻ってこなかったという。外国に行ったら、貴重品は絶対に自分の身体から離さない方がいい・・・というのを聞いたことがあるが、こういう事だったのかぁー・・・っと思った。

海外の有名な観光地や口コミ情報などをよく書き表しているのが『地球の歩き方』という本だ。海外旅行をするにしても、海外留学をするにしても、これを1冊持っていると、結構、便利だと思う。

(完)

 カテゴリー : 社会 | 投稿日 : 2016年9月20日

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