【霊的世界16】 人と人の心を結ぶ ~僧侶の化身、現れる2~

そのお香の匂いに引きずられた私は、S先生(ご住職)が、もしこのスーパー内におられるのなら、ちょっとお会いしたいなぁ~・・・と思った。これといって、何か特別にお話したいことがあるわけではない。ひと目だけでいい。ちょっとお会いできたら、それだけで満足なのだ。私は、この時、まだ病み上がりだったこともあり、体力が消耗していたので、店内をコロコロと転がすお買物カートに上半身だけ覆いかぶさるようにして、カートの助けを借りて移動した。商品棚と商品棚の間のどこかの通路に、S先生がいやしないかと思い、キョロキョロと、あっちこっち探した。

そんな矢先、そのキャンディー売り場の直ぐ後ろの棚を超えたところに、芳香剤売り場があったのに気づいた。「あ、もしかしたら、これかなぁ~・・・」と思った。左端から1つ手に取って、鼻に近づけた。「いや、違う・・・。これじゃない・・・」と思った。その商品をあった元の場所に戻し、そのすぐ横にあった別の芳香剤を手に取って、再び鼻に近づけた。これも違った。結局、片っ端から1個ずつ検査したが、全て違っていた。結局、S先生はそのスーパー内にはおられなかったのである。その時に、「あ、そうだ、時間だ!」と思い、今の時間を覚えておこうと思いついたのだ。急いで時計を探した。よく見たら、レジの後ろの柱に、円い時計があった。時刻は、午後6時10分だった。「よ~し!」と思い、尻尾をつかんだような気持ちになった。
そして、それから3時間半後の夜9時半過ぎに、S先生のご様子をお窺いするメールをお出ししたところ、特に変わったことはないです・・・というようなお返事があったのだ。実は、こうこうこうで、こういうことが、今日の午後6時10分に起こったんです、と上記のことを掻い摘んで、再びメールを差し上げたところ、S先生から返ってきたメールを見て、私は驚いてしまった。

話はこういうことである。前の日に、つまり私が駅前のそのスーパーでキャンディーを選んでいたその前の日に、S先生は、急に、なぜか、ふと、私たち家族のことを思い出され、S先生がいつもご自分のお寺で使っておられるお香を、私たちに差し上げたいと思ったそうだ。しかし、ただそれだけでは、そういった不思議な現象はどうも起こらないようだ。S先生のお話によると、受信する側、つまり、私自身の深い意識の部分で、S先生のことを思っていたりすると、両者の思いが出会って成立し、その結果、1日遅れの時差はあっても、そのような形となって、現象に現れることもあるのだそうだ。

(続く)

 カテゴリー : 霊的世界 | 投稿日 : 2016年2月9日

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