植物のエネルギーを知るコツはこうだ、相手を知ろうと思って、あれこれと詮索する気持ちを持ったまま相手に接するのではなく、意識をニュートラルにする。知ろうとする意識を捨てることだ。意識を捨てるという意識すら無くなった時に、相手のエネルギーが自分の中に入ってくる。どうも、そういうことだぞ・・・ということが分かった。
このことで、突然スイッチが入ってしまい、ここからが面白かった。目の前にあった、植木鉢のお花に意識を合わせてみた。その時の私は「あ、これは、しだれ桜よりもエネルギーが弱いぞ!」と感じた。何度か実験を繰り返したが、感覚的な結果は同じだった。
今度はお花が咲いていない青々とした葉っぱだけの木の側に行って、同じように意識を集中してみた。しばらくすると「あ、この木は、随分としっかりしたエネルギーを出してる!」と感じたのだ。
実験を繰り返すうちに、なんだか急にお腹が空いてきてしまい、一旦、家に戻ってご飯を食べると、もうちょっと大きい公園に家族と再び出掛けた。こんな予定ではなかったが、どうしてももうちょっと実験してみたかった。
向かったのは自宅から歩いて5分程度の大きい公園だった。そこで見つけたのが、松の木だった。「これだわ!」と思った。葉の先端が鋭くとがっているので、どう見ても刺さったら痛い。だから、痛くて鋭いエネルギーが飛んでくるのかと思った。ところが、その松の木から得たエネルギーは、そういうものではなく、さらっとした、さっぱり系の波動だった。そのエネルギーを感じ取った時、私は感動のあまり、思わず「オー」と思った。
比較対象があってはじめて、最初に感じたしだれ桜のエネルギーが分かった。しだれ桜のエネルギーは優しい。ただただ優しい。遠い昔の人々は、電波塔のような木々から、いつも当たり前のようになんらかのエネルギーを感じ取っていたのかもしれない。私は、ふとそんな風にも思った。
(完)