これまでずっと生きてきて、過去5人に、私を花に例えるとゆりの花だと言われた。一番最初にそう言ったのは、私の母だった。突然、母がそう言い出したのだ。残りの4人のうちの1人は、女性のプロカメラマン。残りの3人は男性だった。自分のことって、意外とわからいものですよね。最初、母にそう言われた時、「あ、そうなんだぁ~・・・。」と思った。ところが、事ある度に色んな所で、色んな人からそう言われるようになり、それでゆりの花に興味を持つようになった。気づいた時には、私はゆりの花が好きになっていた。
ある夏、JR池袋駅東口(東京)の、ビックカメラ本店のすぐ前にあったデパートの前を歩いて通り過ぎたことあった。そのデパート名を今調べたが、記憶と違うような気がして、よくわからない。ともあれ、そこのショーウインドーに、ゆりの花があしらわれた浴衣がマネキンに着せられていた。「あー!」と思って、私は立ち止まり、しばらく見ていた。紺色の生地に、小振りの薄いピンク色のゆりの花が散りばめてあり、本当に見事だと思った。その時、「今の時代だからインターネットで調べれば、いくらでも手に入るし、何も今慌てて決めなくても・・・」と、そう思った。その時、その値段を確かめることもしなかった。
それからシーズンが終わった頃になって、急に浴衣のことを思い出し、それでインターネットで調べてみた。すぐに見つかると思ったが、そうじゃなかった。ゆりの花の浴衣はあったが、でもどの浴衣も全て、ゆりの花のデザインが微妙に違っていたのだ。それどころか、私が欲しかったものとは明らかに違っていた。それで私は漸くこう気づいた、あーゆうのは逸品ものなんだって。あっても数は限られている・・・ということなんだと思った。今思うと、あの時に買っておけばよかったかなぁー・・・って思う。
斎藤一人さん(銀座まるかんの創業者)はこう言っていた、女性はおしゃれをしたいんだって。言われてみて、「うん、確かにそうだわ!」と、私もそう思った。斎藤一人さんはこんな事も言っていた、ゆりの花は、場を和ます効果があると。だから、お店でも何でも、ゆりの花を飾っておくといいよと。
斎藤一人さんは、本当に相手を思う気持ちにあふれている。初めてお声をお聞きした時、すぐさま私はそう思った。去年だったかな・・・、偶然、ユーチューブで斎藤一人さんのお話を知った。以来、しょっちゅう斎藤一人さんのお話をユーチューブで聞いている。私なんて1つの事で、1週間も引き引きずられて笑ったことがある。結構、面白い、一人さんのお話。もし一人さんにお会いできたとしたら、私なら「神様はなんて言っているのですか?」と、神様のことをお聞きすると思う。そういう霊的な話をして、物を売っていると思われるのがイヤだから、それで一人さんは、今までそういう話はしなかったんだそうだ。でも今は、神様のお話を時々してくれる。もうそういう話をしてもいい時期に来た・・・ということなんでしょうね、きっと。
不思議なお話はここから。ある年の夏に、S先生(日蓮宗・ご住職・男性)のお寺に行ったら、境内にゆりの花が咲いていたことがあった。そもそも切り花しか見たことがなかった私にとっては、ゆりがあんなにも大きく育つとは知らなった。それこそ、ひまわりみたいに背が大きくなっていたのだ。境内で、ゆりを見上げて本当に驚いてしまった。結構、感激した。
その時に、私はふとこう思った、「あれ? でもこんなところにゆりなんて、咲いてたっけ?」と。境内と言っても、そこはしょっちゅう人が行き来するところだし、そもそもなぜ今まで私は気づかなかったんだろうか・・・って、そうも思った。
それで、ある時、S先生にこうお聞きしてみた、「玄関先にゆりの花が咲いてましたが、前からありました?」って。すると、S先生は、随分前から、急に咲くようになったと、そうおっしゃった。「S先生が種を蒔いたのですか?」とお聞きしてみたところ、そうではなく、自然に生えてきたそうだ。身に覚えがなかったこともあり、お寺ではそのゆりのお世話は特にしていなかったみたいだ。「種が飛んできたか、なんかしたんじゃないでしょうかねぇー・・・」と、S先生はそんな風にもおっしゃっていた。
それを聞いた私は「ん?」と思い、「もしかして・・・」とそうも思った。私はS先生にこうもお聞きしてみた「(ゆりは)いつから咲き始めたのですか?」と。すると、S先生は、しばらく思いを巡らせながら、「確か、去年も咲いてたよねぇー。もっと前からだったかな・・・。」とおっしゃった。それで、私はこうもお聞きしてみた、「ゆりが咲き始めたのは、私たち家族がS先生と出会う前ですか? それとも出会った後でしょうか?」と。すると、S先生は、両目を左上45度あたりに向けて、「んー・・・。出会った後ですねぇー。」と、そうおっしゃったのだ。それを聞いた私は、1人で喜んじゃって、喜んじゃって、どうにもならなくなってしまった。そりゃうれしいよぉー!
誰かが種を落としたのか、あるいはこっそり球根を植えた人がいたのかもしれない。例えそうだとしても、なぜゆりだったのか・・・だ。私自身が目に見えない霊や花の妖精たちから歓迎されているような気持ちになってしまい、いきなり幸せな気持ちになってしまった。
後に、S先生のお寺周辺の家々を見たが、ゆりの花を育てているご家庭は一軒も見当たらなかった。種が飛ぶと言っても、ゆりの種はたんぽぽと生態が違うので、浮遊はしないような感じだ。その時のことを思うと、今でもとても不思議に思う。
(完)