これは人から聞いたお話だが、実際にあった出来事である。日本国内にあるS寺のご住職は、あまりにも霊的な力を持っているので、そこの地元、もしくは、その周辺地域では、とても有名だ。
その一例を紹介すると、こういうことだ。あるご家族が、家を新築した。2階建てだ。義理の親との同居生活だった。そこの家の若夫婦が、自分たちの新築した家の相を見てもらおうと、ある時、そのS寺のご住職にお願いをした。ご住職は快く、隣町からはるばるやって来てくれたそうだ。ご住職が室内を見て回ると、ここはこうしなさい、ここはこうしておくといい・・・などと、その若夫婦にアドバイスをしたそうだ。その時に、ご住職はそこの家の若奥さんの方を「チラッ、チラッ・・・」と、何度か見たそうだ。全てのアドバイスが終わると、そのご住職はその若奥さんに向かって、こうおっしゃったそうだ、「あなた・・・、直ぐに病院に行きなさい。下の病気だから、とにかく直ぐに行きなさい!」と。
何の自覚症状もなかったが、「ご住職がそう言うんじゃ・・・」と思い、その若奥さんは、渋々病院に行ったそうだ。病院に行って、周囲もさぞ驚いただろうと思う。なんと、その若奥さんは、ご住職が言った通りで、婦人科系の病気だったのだ。しかも末期がんだったので、かなり危ない状態にあったそうだ。即入院、即手術になったが、命に別状はなかった。しかし、ごっそりと全摘出になったそうだ。その当時、その若奥さんは30才代で、既に2人の子供を授かっていた。術後、その若奥さんは、順調な回復振りをみせたそうだ。「間に合ってよかった・・・」と、誰もがそう思ったに違いない。
霊眼が開いている・・・ということなのだと思うが、恋愛、結婚、家庭内のもめごと、相続やお墓のことなど、そういった一般的なことでも、口コミで、そのS寺に行く相談者が後を絶たない。しかし、それだけの霊能力があるのなら、テレビとかに出てもよさそうな気もするが、どうも、そういうところへはお出にならないようだ。
霊力をフル回転させるS寺のそのご住職が、その後、一体どうなったのか・・・だが・・・。そのご住職は、その後、原因不明の言語障害になってしまったそうだ。全くと言っていいほど、ろれつが回らなくなってしまったのだ。病院に行って検査をしても、原因が特定できず、そこのお寺の信者さんたちは、人からのよくない念をもらっちゃったんじゃないか・・・などと話しているそうだ。
(続く)