【社会57】 飛行機の2階に意外な座席 ~客室乗務員と出会う方法~ 

随分前のお話になるが、母と一緒にここ日本からアメリカへ遊びに行ったことがあった。帰りの飛行場のカウンターで、母と自分の2人分の搭乗手続きを私が行った時に、対応してくれた白人女性が端末機のキーをカチャカチャと打ちながら、私にこう聞いてきた、喫煙席にいたしますか、それとも禁煙席にいたしますかと。2人共、禁煙席でお願いします・・・と私はそう答えた。すると、はい、禁煙席ですね・・・と確かに彼女はそう言ったのだ。なので、私は、はい、それでお願いしますと、そうお伝えした。

しばらくしてから、あのー、出来れば窓際の席を希望しているのですが、ありますか? とその女性にお聞きしてみた。すると、窓際席はお1つですか、それともお2つお取りしますか・・・などと、そういうやり取りが続いたが、全て私たちの希望が叶い、禁煙席で、窓際席1つと直ぐ隣並びの席1つが取れた。喜んだ。搭乗まで40分か、50分ぐらい時間はあったと思う。母と私は空港内の椅子に座って、飛行機の発着を見たりしながら、何気ない話をして、くつろいでいた。その時、心はとても穏やかで、なんだかとても満たされていたのを、今でもよく覚えている。

時間が来たので、じゃ、もうそろそろ搭乗口に行こうかぁー・・・ということになり、手に持っていたチケットを何気なく見たら、な、なんと喫煙席になっていたのだ! 「えっ、えーーーーーーー!」と思ったし、「こりゃ、まずいことになったぞ!」と思った。母も私も煙草を吸わない。煙草を吸わないものにとっては、あのモクモクとした煙は苦しいってもんじゃない。そんな席に座されたんじゃ、日本まで身体がもたないと思った。

とにかく出発まで、もうそんなに時間がない。それで私は母と手荷物を連れ立って、再び搭乗手続きカウンターへ戻り、事情を説明した。同じ便で、禁煙席と窓際席1つは確保できたものの、もう1つの席は隣同士ではなく、席が異なると言っていた。1つ空くと、確かに対応してくれたその女性はそう言ったのだ。そう、1つ空くと。つまり、同じ便であっても、母と私の席は別々になる・・・ということである。

私はカウンターのその女性に、次の便となると、出発は何時になりますか・・・とお聞きしてみた。ところがもう満席だという。それで母と相談して、別々の席に座ることで、チケットを再発行してもらった。「帰る方向は同じだし、別にいいんじゃないの・・・」ということになり、母も私も、特に気を悪くすることはなかった。ところが・・・だ! 面白いことに、ここから更に驚きの連鎖がはじまった。あの時は本当に見事だったと、今でもそう思う。

母と私が案内された機内の場所は、なぜか飛行機の2階で、ファーストクラスの座席だったのだ! しかも母と私の座席は1人が窓際席で、もう1人がその窓際席のすぐ隣の席だったのだ。「あれ、そんなはずないよ。だってあの女性は、2人の席は異なる別の席で、1つ空くと言っていたし・・・」と、私は母に再びそう説明した。「なんかおかしいぞ!」と、私はそう思った。乗客が次々と入ってきていたので、とにかく席に座ることにした。

ファーストクラスの場合、座席がとにかく大きくて、豪華なソファータイプのシートだったのだ。この点でもとても驚いた。そして背もたれにあった座席番号に気づき、よ~く見たら、連番になっていなかったのだ。1番の次は2番がなくて3番が割り振られていた。4番の席がなくて、5番の席があった。つまり、1番から3番までの間に2つの座席しか設置されていなかったのだ。ファーストクラスの全席がそうなっているようだった。だから(地上勤務のあの白人女性は)席が異なるとか、1つ空くとか、そういう言い方をしたのかぁ~・・・と、私はやっと気づいた。

そしてもう1つ驚いたことは、私たちが乗ったファーストクラスの客室乗務員さんだ。2階は20席ぐらいしかなく、満席だったように思う。対応してくれた客室乗務員さんは1人で、日本人女性だった。彼女はスタイルはいい、笑顔も声も素敵、歩き方も接客も完璧で、そこにきてすごい美人だったのだ!「ミス日本か?」と思うほどだった。周囲の乗客も彼女の美しさに、すぐに気づいたようだった。「こりゃ、面白いことになったぞ!」と、私は内心そう思った。シートベルト着用時などで見回りに来たそのミス日本風の客室乗務員さんに話しかけられ、かしこまってしまった男性もいた。「そうだよねぇ~・・・。(かしこまるその気持ち)なんかわかるわぁ~・・・」と私はそう思った。「美しいって、癒されるし、いいよねぇ~・・・」と、私はそうも思った。母もその状況に気づき、2人で顔を見合わせてクスクスと笑った。

私の人生の中でファーストクラスに乗ったのは、これが初めてだった。こういうハプニングでも起こらない限り、もうファーストクラスに乗ることはないと思う。高額だからだ。どれくらい高額なのかはわからないが、今となっては本当にいい思い出である。

私たちを乗せた飛行機が、快適に大空を飛び、無事に日本に到着した。飛行機から降りる時に、その客室乗務員さんが、機体の外の左手に立って、私たち乗客を見送ってくれた。パイロット風の制服を着た男性も同じその出口で一緒に見送ってくれた。彼は恐らく副操縦士かな・・・と、私はその時そう思った。飛行機を降りるその時に、上下濃紺のスーツを着た日本人の男性乗客が、4つ折りにした小さな紙切れをそのミス日本風の客室乗務員さんにそっと手渡したのだ。私はすぐ後方を歩いていたので、偶然、その現場を目撃した。彼は私たちと同じファーストクラスで、一番前の右側の窓際席に座っていた男性だ。彼女はそっと受け取ったが、それが不要物ではなく、メモ書きだとわかると、「え? なにこれ!」という表情で、通り過ぎて行ったその濃紺スーツの男性の方を見た。彼は一瞬振り返ったが、立ち止まることなく、そのまま真っすぐ前を向いて歩いて行った。断定はしないが、恐らくデートの申し込みだと思う。客室乗務員さんが、なぜ人気があるか・・・、なんかわかる気がした。

(完)

 

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 カテゴリー : 社会 | 投稿日 : 2016年11月1日

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