私たち家族を乗せた「たこフェリー」は、明石港から岩屋港(淡路島)へ向かって出発した。「ザブーン、ザブーン・・・」と打ち返す波の音がした。よく見ると、青色ではなく、緑色の海だった。フェリーがモクモクと吐く黒い煙が苦しくて、進行方向に向かって、左側のデッキに、途中で移動した。海面に反射した陽が、時折まぶしくも感じた。風を切り、潮の匂いに包まれた。「すごく気分がいい!」という意識すら、あっという間に超えてしまい、私は無になっていた。明石海峡大橋が頭上をゆっくりと通り過ぎ、「もうそろそろ岩屋港に着くかな・・・」というところだった。正にその時に、事が私に起こったのだ。突然「スーーーッ」と、緑色の海水に吸い込まれ、自分の身も心も、そして意識をも、ぜぇ~んぶ海水に解けて、私がいなくなってしまったのだ。「はぁ?」って思うかもしれない。でも、なんて言うか・・・、つまり・・・、こういうことだ。海と一体になってしまったのだ。それと同時に、海の波動そのものを、一瞬で感じ取ってしまったのだ。この体験は、時間にしたら1秒もない。本当に一瞬で起こった事なのだ。ふっと、我に戻り、家族に直ぐに聞いてみた、「今、なんか起きなかった?」と。大丈夫だったかと聞いたのだが、特になんの問題もなく、普通だと言っていた。私は「なんだ? 今の・・・」と思ったが、こういう経験は、初めての事だった。
家に戻ってから直ぐに「ガイアの法則」を書いた千賀一生(ちがかずき)さんにメールをした、明石・淡路に行って、こうこうこうゆう事があったんです、と書いて送ったのだ。すると、千賀さんは、とても落ち着いた感じで返信してくれた。文面の感じからして、これは秘書さんとかが書いたものではなく、間違いなく千賀さんご本人からの返信だと、直ぐに分かった。そのメールの感じが本(ガイアの法則)の感じと同じだったからだ。その返信によると、どうも明石よりも淡路の方がエネルギーが強いみたいだ・・・ということが分かった。「やっぱりかぁ~・・・」と私はそう思った。
(続く)