先週の火曜日(2017年5月23日)、私はこんな夢を見た。
私は職場の廊下を、正面玄関がある方に向かって歩いていた。進行方向の右手前方にその正面玄関があった。そこは一面大きなガラス張りで、2~3階建てぐらいの高さで、吹き抜けになっていた。陽が静かに差していた。そこの出入り口は、回転式のガラス扉だった。そこから1人の男性が入って来た。迷いなく私に向かって真っすぐ歩いてきた。私と鉢合わせになったので、何気なく相手を見ると、その男性は、私が昔お金を貸してなかなか返さなかったA君だった。彼は私に何か言いたそうだったが、私はまたつまんなことに巻き込まれてはかなわないと思った。その時、私は大して言葉を交わさずに、その大きなエントランスを横切って、左折した。私はそこの廊下を歩きはじめた。しばらく歩くと、左手にあった扉のないオフィスから、男性職員1人と聞き覚えのある男性1人の声が聞こえてきた。なんと聞き覚えのあるその男性こそが、今さっき正面玄関で出くわしたA君だったのだ。
扉のないオフィスの廊下を私が横切ったら、A君に見つかってしまうかもしれない・・・と思い、私は少しためらった。でも結局、私はそのオフィスの前を急ぎ足で通り過ぎた。彼は私のそうした姿に気づいたようだった。私はその後、進行方向の右手にあったトイレに入った。
トイレから出ると、私は、自分が働いているオフィスに戻ろうとして、再び歩きはじめた。左にカーブを曲がって、もうすぐオフィスの出入り口に辿り着こうとしていた。その時に、私は自分が働いているオフィスの前に、大きなテーブルが2台置かれてあったことに気づいた。そのテーブルの上には、たくさんのお財布がきれいに並べてあった。全て二つ折りの黒いお財布だった。でもその中でたった1つだけ薄茶色のお財布があった。一目見て、「あ、これ・・・、A君のお財布?」と思った。A君とは、今さっきあの正面玄関で出くわした借金男のことである。手に取って中を確認したら、やはりA君のお財布だった。中に1,000円札が3枚入っていた。その手前に短いレシートがたくさん入っていた。その手前の右端に、なんと私の名刺が1枚入っていたのだ。それを見た私は、「この名刺を見て、それでここがわかったんだぁー・・・」と思った。とにかくお財布を届けてあげようと思った。でも、次の瞬間、私はこう思った。お財布を届ける・・・ということは、再びA君と会うことになる・・・と。それに気づいた時、「あ、やめておこう・・・」と、私はそう思った。そして私はそのお財布を元のところに戻した。
夢はこれでおしまいだ。
私はこの夢をこう解釈した。過去につながりがあった人が、頼ってやってくると。お札が少なく、短いレシートが多かったのは、ちょこちょこと買い食いしている人を意味し、つまり無駄が多い人のことを暗示していると思われる。「時は金なり」という格言があるが、お財布を落とすということは、時が経っても価値を見出せないでいる・・・といった意味合いかと思われる。
オフィスに扉がなかったのは、「人の口には戸が立てられない」という意味だと思われる。A君が事務所の中まで入って来て、事務所の人間とあれこれしゃべる・・・とは、根回しを示唆していると思われる。現実の世界において、相手は着々と準備を進めている・・・ということなのかもしれない。何かをしでかすとか、そういう意味ではないと思う。なぜなら、A君は東の玄関から入って来たからだ。東は太陽が昇って来る方角で、生命の誕生や目覚め、あるいは新しいことのはじまりを表すからだ。恐らく、どうにもならなくなって、致し方なく頼ってくる・・・という意味だと思われる。
お財布の中に3,000円しか入ってなかったことについては、私はこう解釈した。3,000円の「3,000」という数字は、エドガー・ケイシー流の数霊術的観点から解くならば、これは木星を表す・・・と。木星の影響を受けている人の特徴は、夢や希望、世界観や未来などを壮大に語る傾向にあるが、行き過ぎると非現実的になってしまう。これは、お財布の持ち主の内面的な部分を反映していると、私はそう解釈した。
この夢を見るちょっと前に、つまり現実での世界の話だが、私の親しい友人が長いこと務めた職場を辞めた本当の理由を、本人から直接聞いてはじめて私は知った。友人が離職したのは、もう何年も前のことである。私のその友人は、言わばトップに上りつめたリーダーだった。円満退職だったが、その詳細は控えることにする。この夢は、恐らく私のその友人へのメッセージだと思われる。多分ね。多分よ。
でも、まさかその友人には言えないよね、前の職場の人があなたを頼ってくるよぉー・・・なんて。言われた方だって、「え? そうなの? でも・・・今さら何?」って思うだろうし・・・。
こういう時は何も言わず、ただ我慢! 我慢! 事の成り行きを見守っていこう・・・と、一旦はそう思った。ただ、不思議に思うのは、本当に必要なことなら、私ではなく、友人本人の夢に直接出てきてもよさそうだが・・・。
謎を解く鍵がそこにあるかもしれない・・・。それとなくその友人に話してみましょうか。睡眠時に見る夢って、本当に不思議です。
(完)