先々週の日曜日(2017年9月10日)、私はS先生(日蓮宗・ご住職・男性)にメールを差し上げた。現実の普通の世界において、人間がプカプカと宙に浮くことができるのかどうか・・・について、私はS先生にお聞きしてみた。
前回お話したネパールの僧侶の浮揚動画も一緒に、S先生にお送りした。文字や口で説明するより、映像を見ていただいた方が早いと思ったからだ。
初めてこの記事をお読みになる方は、「なぜ僧侶にそのような事を聞くのですか?」と、そう思う方もおられるかもしれない。この時代ではとても珍しく、S先生は、とんでもない超能力をお持ちのお坊さんだからだ。
・・・と言っても、S先生は自ら進んで、ご自分の霊能力の事を、あまりお話にはならない。「あまり」というより「殆ど」お話になることはないので、とにかく慎重にメールを書いて送った。
メールをS先生にお出ししてから、しばらくすると、家の固定電話が「プルーン、プルーン」と鳴った。その瞬間、「もしかしてS先生?」と私はそう思ったが、案の定だった。
色んな話をしていく中で、S先生はこうおっしゃった、お釈迦様やお釈迦様のお弟子さんたちは、例えば、空中飛行とか、瞬間移動など、多くの軌跡をなしたようですと。でも、そういった事を世の人達の前で、ひけらかすことはしなかったという。「えっ、お釈迦様が空飛んだのぉー? そりゃすごいわー!」と、私はそう思った。S先生のお話によると、お経にそう記されてあるそうだ。
なぜ人前で、そういった神通力をやって見せなかったのか・・・というと、一般の人達は、それを行う本人の意思と同じように、その現象の本質を見ることが出来ず、空中浮揚などの表面的な現象だけに心を奪われてしまうということを、(お釈迦様は)知っていたからです・・・と、S先生はそうもおっしゃった。
空中浮揚自体、悪い事ではないが、良くも悪くもないのだという。ただ、そういった事ができることを利用して、人を惹きつけようとする悪人が少なくない・・・ということと、そして人間にとって真に大切なことへの関心を逸らしてしまうからです・・・とS先生はそうもおっしゃっていた。
そういった神通力を人前で行うことによって、人は誰にでも素晴らしい潜在能力があるのですよ、というような、勇気や希望を人に与えてくれそうだから、一見よさそうな気もする。
しかし、それを追い求めていく人もいる。「もっともっと・・・」という貪りと私欲にかられ、やがて所有欲、独占欲、支配欲が頭をもたげ出し、いつしか絶対的な権力を手にしたいがための、野望へと心や意識が変貌していく。私欲によってトップに上り詰めた者は、権力を維持したいがために、結局のところ、悪い事をするようになる。人は往々にして、そういう傾向にある。だから、人前で神通力をやって見せてはダメなんです。神通力の意味と本質をよく見なさい。真に生きるとはどういうことなのかをよく考えなさい・・・ということのようだ。
「そういうことだったのかぁー・・・」と私はそう思い、なんかわかる気がした。
(続く)