そこのログハウスメーカーの営業のお兄さんは、どんなに安い土地でも、土地代を含めたログハウスの建築費は、総額3000万円すると言ったそうだ。そして、こうも言ったそうだ、ログハウスは天然素材でてきているので、家や暮らしは、大らかに考えてほしいと。「え? でもそれって、例えば、もし雨漏りがしてきたら、家の中でバケツを置くか、さもなければ、傘を差せってこと?」と、私はそう思ってしまった。1日だけならそういう生活も楽しいと思うが、それじゃ、梅雨時は毎日家の中でかっぱを着るようになる。レインコートのことだ。「ジャングルとかのサバイバル生活ならまだしも、家でかっぱかぁ~・・・」と思い、考えてしまった。
雨漏りの場合、その場所を特定するのは意外と難しい。私はある時、古いお友達の一軒家に遊びに行っていた。その時に、激しい雨に見舞われた。なんとそこの家のキッチンの吊り戸棚から、水が滴り落ちてきていたのを私が偶然発見したのだ。「ポッタ・・・、ポッタ・・・」などと、そんな可愛いものではなかった。だから私は最初、それが雨漏りだとは分からなかったのだ。「水道管の破裂? でも、なんでこんなところにお水が流れているの?」と思ったのだ。信じられないかもしれないが、それは急須で湯のみ茶碗にお茶を注いでいる勢いだったのだ。異変を感じた私は直ぐに知らせると、そこの家中の人たちが大騒ぎになった。それで、雨漏りだと分かったのだ。
その時に、「誰か、屋根に上らなかった?」と私は聞いてみた。すると、そこの家の高校生の息子さんが、ごく最近に屋根に上った・・・という事が分かった。屋根で深呼吸したか、いい気持ちになってそこで1人で踊ったか、或は、(そこで)昼寝をしたかどうかは知らないが、とにかくいい気分転換になったまではよかった。恐らく、それが原因だと思う・・・と、私はそう言った。
知らずにこれをやる人が意外と多い。屋根は歩くところが決まっているのだ。むやみにドカドカと歩くと、歪みや隙間ができたり、場合によってはひびや板が折れることもある。色んなところをつたって、ポタポタと雨水が流れ落ちていくので、雨漏りの直上を探しても、修繕すべき個所はまず見つからない場合が多い。
高いところで風に吹かれながら、昼寝をしたいのなら、ツリーハウスという手もあるが・・・。
(続く)