【動物13】 鏡に反応する犬とお水に反応する猫 「鉱物→植物→動物→人間」へと長い時をかけて進化する

ステンレス製の平たい器にお水を入れておくと、そこに室内で飼っている犬がやって来て、お水をピチャピチャと飲む。ここまではおりこうさんでいい感じだが、ここからが意外な展開が待っていた。

普通に飲んで、普通にその場を去ってくれたらいいのだが、そのステンレスの底に、鏡のように写る自分と目が合ってしまった。びっくりしたのか、うれしかったのかは知らないが、その室内犬は、お水が入っているその器の中に、自分の手を「ズボッ!」と突っ込んで、そしてお水をバランバランにしてしまう。毎回のこと。お陰で床はひどい水浸しになる。時には、器までひっくり返してしまう勢いだ。「犬の反応っぷりは、なんだかすごいなぁー・・・」と、ある方のコメントを読んだ私はそう思った。

うちの猫は、そういうことはしない。一度もない。まぁーねぇー、犬と猫は違うからねぇー・・・。

ただ、そう言われてみれば・・・と思い、ふと気づいたことがある。それはお水に対する反応だ。

例えば、私が洗面所で歯ブラシをシャカシャカしていると、つかさず洗面台のすぐ横にある洗濯機の上に乗っかってくる。そして、私が水道からお水をチョロチョロと出しはじめると、猫は前のめりになって、そのチョロチョロ水を、スクラッチするのだ。爪に引っ掛からないからおかしいなぁー・・・と思ったのか、その動作を何度も何度も繰り返す。

それとか、洗濯をしようと思ってボタンを押すと、直ぐに給水がはじまる。すると、どこからともなくうちの猫が、急いでやってくる。そして、蓋の開いた洗濯機の淵を、微妙なバランスを取りながら、歩き回るのだ。まるで体操の平均台状態。危なっかしくて、見てられない。私は慌てて、「中に落ちたらどうするのぉー」と、言ったが、猫はそんなもんお構構いなしよ。初めて猫のその平均台を見た時、私は全身の血が引いた。

でも私はその時、こう思った、「そうかぁー、お水を充分に触らせてあげればいいんだぁー・・・」って。「存分に、それこそ好きなだけ触らせてあげればいい・・・」って、私は、なぜかふと、そう気づいたのだ。

それで、洗濯機の内側に装着されている小さなトレイを引き出した。そのトレイは洗濯石けんを入れるところ。給水がその石けんを掬い上げるようにして、下に落ちる仕組みだ。敢えてその石けんを入れない状態で、私は猫を抱きかかえて、その給水を見せてあげた。すると、案の定で、猫は夢中で、お水を繰り返しスクラッチしはじめた。早い、早い! それは、まるで漫画を見ているようで、ホント面白かった。笑えるよぉー!

一番、驚いたのはお風呂。夏場はシャワーだけで済ますことが多い。シャワーを「ザァー!」と出すでしょう? すると、その音を聞きつけて、お風呂のドアのすぐ近く(バスマットの上とか)に座って、ずーっと鳴いているのだ。それこそ、私がシャワーから出てくるまで、ずーっとよ。ずーっと鳴いている。

私は、ある時、突然その事に気づき、それで異変だと思ってしまったのだ。それで私は慌てて、泡だらけの頭でお風呂のドアを開けた。そしたらすぐそこにいた猫が、山んばのような私のシャンプーを理解できなかったようだ。私を見るなり、飛び上がって驚き、すごいスピードで逃げ去って行った。別に驚かすつもりはなかった。私は「うふふふふ・・・」と笑い、「心配して損したぁー・・・」と思った。

やはり、激しい雨音にも、うちの猫は反応する。そんな日は、ベランダのある窓ガラス越しから、外を眺めることがある。先のチョロチョロ水に興味を示した時には、出来るだけ気が済むまで、遊ばせてあげた。もう満足したのか、最近はあまりお水に興味を示さなくなった。さて、次は何に興味を示すのだろうか・・・。

世界三大霊訓シルバー・バーチは、こんなすごい事を言っていた、「鉱物→植物→動物→人間」へと進化していくと。私が、初めてこの事を知った時、「え? そういうことだったの?」と思い、結構驚いてしまった。直前の前世の記憶すらない者にとっては、「動物だった時代があった・・・」と言われても、ちょっと「ピーン!」とこないと思う。なが~い時を経て、人間へと進化してきたようだ。

前世でも出会っていたかもしれない。あるいは来世でも、再び出会えるかもしれない。どのような可能性の出会いであっても、それはそれでうれしい。でもやはり、現世で出会えたことの方が、遥かにうれしく思う。なぜなら、私が生きているのは、現世の今この瞬間だから・・・である。なぜかふと、私はそう思った。猫がどう思っているかは、わからないが。

(完)

 カテゴリー : 動物 | 投稿日 : 2018年1月12日

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