【社会112】 「 勉強しなさい!」と言われる子供ほど、勉強ができない! ~ここをどう突破するか~

僧侶で、作家の瀬戸内寂聴さんは、あるテレビ番組で、かつてこんな事をおしゃっていた、勉強しないで、(神様や仏様に)どこどこの大学に合格しますように・・・ってね、そんな風に祈ってもダメですよと。本人が努力もせずに、そういう祈りやお願いをしても、大学には合格できない・・・ということだ。

この事を聞き、それもそうだと、私はその時そう思った。

小さい時から親御さんが、ご自分の子供に「勉強しなさい! 勉強しなさい!」と、ことある度に繰り返し言い続けると、子供はますます勉強ができなくなると聞いたことがある。

それはなぜか・・・だ。

これからの時代の子供だからこそ、いい成績を取っていい高校に行き、そしていい大学に行けばいい就職ができる・・・とそう考える親御さんもいる(いい悪いの問題ではないが・・・)。

こういった考えを裏を返すと、勉強ができないと、いい職に就けない・・・ということも考えられる。いい職に就けない自分の子供を想像すると、それが親御さんにとっては、最大の不安材料になる。その不安材料を1つでも打ち消そうと思って、ついつい「勉強しなさい! 勉強しなさい!」と、親御さんはそう口走ってしまう。

子供に勉強しなさい・・・と言う親御さんは、心のどこかに、いつもそういった不安を抱えている可能性がある。

その不安が「勉強しなさい! 勉強しなさい!」という言葉に乗り移る。つまり「勉強しなさい!」と言えば言うほど、親御さんの不安感を子供に植え付けることになる。波動って、どうもそんな感じらしい。

親の不安感がふりかかった「勉強しなさい! 勉強しなさい!」というご飯を食べて、子供が消化不良を起こさないだろうか。

不安ふりかけご飯を毎日食べ続けて、一時いい成績を残せても、子供はやがて勉強をすると、原因不明の不安感に襲われる(こともある)。平素私達が使う言葉の力は大きい

その可能性を秘めた実例がこちら。

これまでずっとお話してきたS先生日蓮宗・ご住職・男性)のところに、受験生の息子さんを抱える親御さんが、ご夫婦揃って相談に来られたことがあった。クチコミだったそうだ。最難関と言われている学校への進学を希望していたものの、突然、原因不明の不安感に襲われて、息子さんは勉強が全く手につかなくなってしまったそうだ。それを何とかしてほしい・・・というお願いだったそうだ。

S先生は、果たして祈りでね、息子さんの道を切り開いてしまってもいいんだろうか・・・などと、そういった迷いもあったそうだ。状況を見聞きし、じゃ、やってみましょう・・・ということになって、お寺の本堂内で、S先生と一緒にご夫妻も祈ったそうだ。

S先生は多くは語らなかったが、恐らく、その祈りでその息子さんの潜在意識が見えたのでしょう。「この部分をこういう風に浄化すれば突破できる!」と、S先生はそう体感されたのだと思う(多分ね、多分よ)。S先生は、その場ですぐにお札を書いて、これを息子さんに渡してくださいと言い、そのお札を親御さんに手渡したそうだ。

ご自宅で待機していたその息子さんは、親御さんが持ち帰ったそのお札を素直に受け取ったという。不思議なことに、そこから息子さんは落ち着きを取り戻していったそうだ。

今のままじゃ無理だと、誰もがそう思っていたその最難関の学校を、その年、見事に突破したという。この事を知った時、他人事ながら私は本当に喜んでしまった!

親子や友人関係などで、その息子さんに何があったのかは、私は知らない。ただ、そのお札を素直に受け取った・・・というところから推測すると、やはり親子関係にも何かあったのかな・・・という気もする。

文部科学省が、去年(2017年)の秋に公表した平成28年度問題行動・不登校調査を見ると、年間の欠席日数が30日以上の不登校小学生は、総数3万1151人中学生は同10万3247人だったそうだ。不登校の要因では、「不安」が31.1%で最も多く、次いで「無気力」の30.2%だった。「不安」に関する内訳では、いじめ以外の友人関係や家庭の事情が多かったという。

やはり、「不安」が第1位だったかぁー・・・と、私はそう思った。

山村留学と言って、一定期間農村部に移住し、現地の学校に通うこともできる。こういった制度を利用するにしても、まずは親御さんがご自分のお子さんに対して、先の不安ふりかけご飯を食べさせないことが前提になると思われる。

なぜなら環境だけ変えても、意識を変えなければ、行った先で再び同じような環境を作り出していくからだ。

宇宙はそんなに急いではいない。色々やってみるのもいいかもしれない。

(完)

 カテゴリー : 社会 | 投稿日 : 2018年7月27日

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