俺の話は信じられない話が多いから、ここからは信じなくていいからね・・・と斎藤一人さんはそう言った。「え? なに? なに?」と私は思った。今度は一体何を話すつもりなのか・・・と、私はその時そう思ったのだ。私は固唾を呑んで、斎藤一人さんの話に耳を傾けた。自分にとって楽しく信じられることなら、信じた方がいいかもしれないです・・・と、斎藤一人さんは優しく、そんな前置きもしていた。
話はこういうことだ。斎藤一人さんが悩んでいたら、夜、光の玉が一人さんの目の前に出てきたそうだ。まぶしくなく、それは丁度会場にあるライトのようだったけれど、でもそれよりももっと明るかったそうだ。白い光で、その光に囲まれると、いつも答えを教えてくれたそうだ。
その光に初めて囲まれた時、斎藤一人さんはこう思ったそうだ、「あ、死ぬと、こうなるんだぁ~・・・」と。大したことじゃないじゃないか・・・と、そうも思ったそうだ。それから、頻繁にそういった光の玉が現われるようになったんだそうだ。その度に、その光の玉から色んなことを教わるようになったんだという。こういう現象は他の人にも起こっているんだと、幼いながらも、その時そう思ったんだそうだ。
斎藤一人さんにとって、人生最大の悩みにぶつかったことがあったそうだ。それこそが、人は死んだらどうなるのか・・・ということだったそうだ。幼稚園から小学校に上がる時のことだったので、無になる・・・などと大人はそういう風に言うが、その無くなっちゃう・・・という意味が、当時の一人ちゃんには、わからなかったそうだ。
例えば、お父さんにも会えなくなるのかなぁ~・・・とか、お母さんにも会えなくなるのかなぁ~・・・とか、友達とも会えなくなるのかなぁ~・・・とか、真っ暗闇に落っこってっちゃうのかなぁ~・・・とか、落っこっちゃうのもないのかなぁ~・・・とか、死について、本当に色んなことを考えていたら、夜眠れなくなってしまったんだそうだ。
(続く)