S先生(日蓮宗・ご住職)に、「石窯パン工房 サンメリー東浦和店」で買ったパンをお届けに上がった後、その翌日にS先生から私に連絡が入った。S先生も私も石窯パンを今回初めて試食したが、双方にとって本当にうけた。
パンの外側は「カリッ」としているので、結構、しっかり噛める。キャラメルなどのような粘着性はないので、歯の詰め物が持っていかれることはないが、差し歯とあごの弱い人は、コーヒーか紅茶などの飲み物に、少々浸してから食べるといいかもしれない。時間が経つと、その「カリッ」とした感じが多少しんなりしてくるが、内側のもっちり感は、買った翌日でもそのまま残る。皮のしんなり感と内側のもっちり感が合うので、これはこれでまた違った食感を楽しめる。クチコミ通りで、本当に美味しかったので、私はとても感激したし、また食べたいとも思った。
それからおよそ1ヶ月が経った頃、2014年のゴールデンウィーク明けに、石窯パンが宅急便で我が家に届いた。時は5月10日土曜日のよく晴れた日のことだった。買った翌日でもあれだけ美味しく食べれたのだから、地方からのお取り寄せでも、充分いけるんじゃないかと思ったのだ。インターネットで、石窯パンを焼いているお店で、発送もしてくれるお店はないかと探した。津々浦々、色んなホームページを見たが、見た瞬間に「あ、ここだ!」と思った。岡山県倉敷市にあるカンパーニュの専門店で、「石窯パン工房 ぱんごーの」という名前のお店だ。ここのお店から、その日に宅急便でパンが届いたのだ。カンパーニュとはフランス語で、その意味は田舎風のフランスパンのことである。大きくて丸い形に焼いた素朴感あふれるパンのことだ。
そこの工房は、自家農園の季節の果物で作った天然酵母を使い、余計な添加物を一切使っていないのだという。安心・安全がうれしかった。もっとすごいことに、そこの工房長が、自らの手で石窯を造り上げたのだそうだ。その石窯を画像で見た時、思わず「オー!」と思った。適度な大きさに切って乾かした木に火をつけて、それを石窯に入れてパンを焼くのだという。そこはレストランも併設されており、そのパンに合うランチも提供しているそうだ。時折、パン教室もそこで開いている。
「石窯パン工房 ぱんごーの」で実際にランチを食べた人が、ご自分のブログで画像と共に紹介している人のブログも見たが、開放的な景色や、自由気ままな感覚もすごくよかった。なので迷わず注文した。大量生産していないお店なので、注文を受けてから、パンをこね、発酵させ、ガス抜きをし、成形して、そしてまた発酵するのだ。パンは焼くまでの工程がとても長い。そして、パン屋さんは朝が早い。焼き上がったパンをその日のうちに発送してくれたので、その翌日には我が家に届いたのだ。玄関先で受け取ったその箱の外側に、黒い丸い文字が印刷されあった。すごく可愛いと思った。思わず抱きしめてしまった。
(続く)