【動物14】 寝ぼけていたら、モップで顔をこすられた! ~シーズン春~ 心に明かりがともる時

先週のある晩(2018年1月16日 )、私は右手を下にして寝ていた。そこへ、私の後頭部から「ニャーニャー」と、猫の鳴き声が聞こえた。私の耳元数センチ手前で鳴いているようにも聞こえた。「あ、(私の)お布団に入りたいんだ・・・」と思った私は、寝ぼけ眼で自分の掛布団をめくった。

次の瞬間、私は顔をモップでこすられた。誰かか私の顔をモップでこすったと思ったのだ。一瞬の出来事だった。その時、私は寝ぼけていたので、何が起こったのか、全く事を把握できないでいた。完全に相手にやられっぱなし。

モップで私の顔をこすった犯人は、なんとその猫だった。猫が私の後頭部から私の顔をまたぎ、猫の、あのフカフカのお腹で、私の顔をこすったのだ。

その直後に、その猫が私のお布団の中にモソモソと入ってきた。それで、「あれ? 今の(モップの犯人)は、猫?」と、私はようやく気づいた。

猫はまっしぐら。自分のお腹で人間の顔をこすろうが、こすらまいが、そんなことお構いなし。今となっては、可愛く思えて笑える。

寝ぼけてる時にそれをやられると、猫の鳴き声とモップが分離していて、それらをつなげて考えることがなかなか出来ない。

私はてっきり、私の後頭部からぐるっと迂回して、それで私のお布団の中に入って来ると思った。でも、実際はそうじゃなかった。そこが動物。

私のお布団の中に入ると、私に「ピッタリ!」と自分の身体をくっつけてきた。それこそ私にべったりとくっついて寝るのだ(カワイイよぉー!)。

ちなみあの眠れる予言者エドガー・ケイシーさん(1877年3月18日 – 1945年1月3日)は、父方のお爺さんの事が大好きで、夜寝る時は、そのお爺さんの長いひげにつかまって寝ていたそうだ。綱引きの様にひげを束ねて引っ張る態勢をとるのではなく、10本の指を全部広げて、その指をお爺さんのひげに引っかけて寝ていたそうだ。綿あめのようなモコモコとした長いひげだから、指が絡んじゃって絡んじゃって、1本ずつ引き離すのが大変だったという。「相手のことがすごく好き!」というその気持ち、なんかわかる気がした。

ただ寒かったから・・・と猫はそう言うかもしれないが、でも猫が私を頼り、当てにしてくれたことは、なんかやはりうれしい。うちの猫は、人間がすごく好きな猫なのだ。

以前住んでいたところでは、夜になると、必ずやってくる野良猫がいた。三毛猫で、雄か雌かはよくわからなった。野良の割には、非常に毛並みがよく、筋肉もしっかりしていた。飼い猫のようにも見えたが、首輪はしていなかった。

家のすぐ近くに来て、「ニャーニャー」と鳴くのだ。それで、「あ、来た!」とわかる。その三毛は、お魚がすごく好きだった(ちなみにうちの猫は、お魚よりチキンの方が好き)。お友達になりたくて、側に行くと、直ぐ逃げてしまう。毎日のように来るので、毎日のようにお魚を用意していた。

どんなに餌をあげても、絶対身体をナデナデさせてくれなかった。ちょっとでも「おいで、おいで」をしたり、自分に注意を向けられると、直ぐに逃げ出してしまう猫だった。諦めて、家に戻ると、その後を追って、再びこっそりとやってくる。そういう猫だった。

繰り返しお魚をあげるようになったら、投げ与えなくても、人間の手から直接食べるようになった。それが、鋭い爪で引っかくのだ。お陰でエサを与えるたびに、手は血だらけになった。結局、最後の最後まで、その三毛を手なずけることは出来なかった。

その時の事を思うと、今のうちの猫は、非常に人間に懐いている。

・・・といっても、今の猫は、最初のうちは、触らせてくれなかった。抱っこも嫌がる。ましてや一緒のお布団で、人間と一緒に寝る・・・などという事もなかった。

猫だから、自由に外で遊ばせてあげたいが、それが、外に出たがらない。木登りもしたいだろうし通りすがりの猫たちともじゃれ合ったりしたいだろうし・・・と思った。

いつだったか・・・、お天気のいい日に猫を外に出したことがあった。それが、玄関でうずくまってしまい、その場でずーっと鳴ているのだ。外の音が怖かったのか、あるいは捨てられた・・・と思ったのか・・・。異様な鳴き声になってしまった。

「おかしいなぁー・・・」と思った私は、インターネットで調べてみた。すると、そう思うのは人間だけで、外にいると、猫は緊張感や不安感があるのだという。年中外でフラフラしている猫は、寿命が短いらしく、せいぜい3~4年と、そう書いているサイトもあった。「そうなんだぁー」と、私はそう思った。

今住んでいる家の敷地内のちょっとした通路で、次々に色んな猫が現れる。そのうちの1匹にナデナデしたら、じゃれついてきて、いい感じの猫がいた。その猫がいきなり立ち上がった。どこに行くんだろう・・・と思って、私はある時その猫を尾行したことがあった。

すると、その猫が辿り着いたのは、近くの公園の砂場だった。砂場で、なにやらクンクンと匂いをかいでいた。そして場所を定めると、そこがその猫のおトイレだった。

その後のその猫の行動に驚いた。なんと泥が混じった茶色い水たまりに顔を近づけたのだ。「まさか・・・」と私は思った。なんとその猫は「ピチャピチャ」と音をたてて、それを飲んでしまったのだ。雨上がりの水たまりで、しかも泥まみれの茶色よ。

その時の事を思うと、外にいる猫があまり長く生きられない・・・というのもうなづける。

暦の上では、もうすぐ春。別れの季節であり、新たな出会いの季節でもある。この時期は、温かくて、脳や身体にもストレスがかかりにくいので、恋をしたくなる季節みたい。ゆっくりと芽生えて、静かに心に灯がともる。

失いかけた恋、音信不通になった友人など、森の木が一斉に芽吹くように、もう一度はじめからやり直してみるのもいいかもしれない。そう、もう春だから。

(完)

 カテゴリー : 動物 | 投稿日 : 2018年1月23日

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