ある時、お友達と一緒にレストランでおしゃべりすることになった。当時、私はコーヒーをよく飲んでいたので、迷わずホットコーヒーを注文した。すると、大した時間もかからずに、コーヒーが運ばれてきた。「オー、来た来たぁー！」と思った。

早速、コーヒーを飲もうと思い、そのカップに手を掛けた瞬間、「う、うそでしょー！」と思った。

なんと、口をつけるところに、ピンク系口紅の、唇の跡がくっきりと付いていたのだ。今まで色んなレストランや喫茶店に行ったが、こんなことは初めてだった。私は本当に驚いてしまった！

そこへタイミングよく、同じウエーターさんが私の横を通りかけたので、「あ、すみません！」と言って呼び止め、「これ、今さっき注文したコーヒーなんですが・・・。」と言い、カップの口紅の跡を指差し、「（これが）付いていたんです。（新しいのに）変えてもらえませんか？」とお願いした。

すると、そのウエーターさんは覗き込んだ。事を把握すると、静かに首を縦に振り、すぐに取り換えてくれた。

カップとそのすぐ下のソーサー（お皿）は、とても温かかった。飲み物が冷めないように、常時保温されているようだった。ウエーターさんやお店の雰囲気もよかったので、この事でコーヒーが嫌いになることはなかった。

ただ、こういうコーヒーを出されると、結構、衝撃を受ける。

でも、これにもっと輪をかけたかのような、衝撃を受けたことがあった。あるファーストフード店でのこと。私はハンバーガーセットを注文し、店内で読書を楽しんでいた。

すると、テーブルに置いて読んでいた私の本に、何か赤い物体が当たり、バウンドして床に転がり落ちた。突然の衝撃だったので、私は本当にびっくりした。

何だろう・・・と思って、床を見たら、なんと子供の赤い運動靴だった（信じられないでしょう？）。

その直後、店内がざわついた。落下の仕方から、飛んできた方角を割り出す必要もなく、その方向はすぐにわかった。私の席から４つか５つ先に座っていたお客さんからのものだった。そこで、２組の子連れママさんたちが、子供そっちのけで、おしゃべりに夢中になっていた。

恐らくだが、子供同士が靴を見せ合ったか何かで、足を振った瞬間に、履いていた靴が「スポーン！」と抜けてしまい、そのまま飛んでしまったのかもしれない。子供がやりそうなことだ。

すぐに小学校低学年の女の子が、飛ばした自分の片方の靴を取りに、私の近くにやって来た。その子は平静を装っていたが、明らかに「まずい事をした！」と、そう思っていたのでしょう。顔面が蒼白していた。

例えばね、その靴がコーヒーに当たって、コーヒーがひっくり返っちゃったとか、ハンバーグに靴が突き刺さったとかね、そういう事なら話は別だが、そこまでのことではなかった。なので、私は何も言わなかった。

勿論、いい気はしない。ただ、むしろその時私はこう思った、今日は早く家に帰った方がいいよ・・・という事なのかもしれないなぁ～・・と。

宇宙ってね、ありとあらゆる手段を使って、その人に知らせるそうよ。それに気づけた時に、意識や心は変わる。どうもそういうことみたい。不思議よねぇ～・・・。

（完）